遺言とは、被相続人が亡くなる前に、その最終の意思表示を形にし、相続人に言い残し、死後に実現を図るものです。その遺言を書面として残したものが遺言書です。
「うちは、家族の仲が円満だから遺言書なんて必要ない」と考えておられる方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、残念な事ですが遺言書がないために、相続をめぐって家族間で争いが起きてしまうことも少なくありません。
今まで仲の良かった家族が、相続をめぐり関係がこじれないようにするためにも遺言書は、とても重要な役割を果たします。
下記のどれか1つでも当てはまる場合は、遺言書を作成することをおすすめします。
1、兄弟姉妹が不仲
2、子供がいない
3、内縁の配偶者やその人との間に子供がいる
4、結婚した相手に連れ子がいる
5、未成年の子供がいる
6、相続人が多い
7、相続させたくない相続人がいる
8、相続人がいない
遺言書を残すことで、以下のような様々なメリットがあります。
遺言書がなければ、相続人全員が集まり、法定相続分通りにどの財産を誰がもらうか話し合いで決めることになります。
相続人全員の意見を一致させていく必要がありますが、一つ一つの財産をどのように分配していくかを決めるのは非常に大変なことです。
遺言書を残すことで、財産を「誰に」そして「どのように」相続させるかを指定することができます。そうすることで、相続人の財産分割に係る手間も省くこともできますし、不要なトラブルを回避することができます。
遺言書を残すことで、「財産を誰に、どのように相続させるかを指定することができる。」ということは、同時に、親族などの法定相続人以外にも財産を残すことができるということです。
自分の人生のなかで、感謝してもしきれない方などに恩返しをしたいというお考えがあれば、遺言書の作成によって実現することができるのです。
「遺言書なんて先の話」と思っている方も多いかと思いますが、検討してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。